大宗師篇第六

 

知天之所爲、知人之所爲者、至矣、知天之所爲者、天而生也、知人之所爲者、以其知之所知、以養其知之所不知、終其天年、而不中道夭者、是知之盛也、

〔一〕 天の爲す所を知り、人の爲す所を知る者は、至れり。天の爲す所を知る者は、天にして生くるなり。人の爲す所を知る者は、其の知の知る所を以て、以て其の知の知らざる所を養ふ。其の天年を終へて、中道に夭せざる者は、是れ知の盛んなるなり。

 

雖然有患、夫知有所待而後當、其所待者、特未定也、庸巨†知吾所謂天之非人乎、所謂人之非天乎、且有眞人、而後有眞知、

†巨の字、ほんとは言べんに巨。

然りと雖も患ひ有り。夫れ知は待つ所有りて而る後に當る。其の待つ所の者は特(ひと)り未だ定まらざるなり。庸巨†くんぞ吾が所謂る天の人に非ず、所謂る人の天に非ざるを知らんや。且(そ)れ眞人有りて、而る後に眞知有り。

 

何謂眞人、古之眞人不逆寡、不雄成、不謨士、若然者、過而弗悔、當而不自得也、若然者、登高不慄、入水不濡、入火不熱、是知之能登假於道也若此、

何をか眞人と謂ふ。古への眞人は寡*に逆らはず、成を雄(ほこ)らず、士(事)を謨(はか)らず。然るがごとき者は、過てども悔いず、當れども自ら得たりとせざるなり。然るがごとき者は高きに登りて慄れず、水に入りて濡れず、火に入りて熱からず。是れ知の能く道に登假*するや、此のごとし。

*寡、くわ、幸が少ない。*登假、とうか、登り至る。

 

古之眞人、其寝不夢、其覺无憂、其食不甘、其息深深、眞人之息以踵、衆人之息以喉、屈服者、其u†言若哇、其耆欲深者、其天機淺、

†uの字、ほんとは口へんにu。

古への眞人は、其の寢ぬるや夢みず、其の覺むるや憂ひ无し、其の食らふや甘しとせず、其の息するや深深たり。眞人の息は踵(かゝと)を以てし、衆人の息は喉を以てす。屈服する者は其のu†(むせ)び言ふこと哇(は)くがごとし、其の嗜欲深き者は其の天機淺し。

 

古之眞人、不知説生、不知惡死、其出不訴、其入不距、脩†然而往、脩†然而來而已矣、不志其所始、不求其所終、受而喜之、忘而復之、是之謂不以心揖道、不以人助天、是之謂眞人、

†脩の字、ほんとは右下が月でなく秩B

古への眞人は生をスぶことを知らず、死を惡むことを知らず。其の出づるに訴(よろこ)ばず、其の入るに距まず。脩†然*として往き、脩†然として來るのみ。其の始まる所を志(し)らず、其の終る所を求めず、受けて之を喜び、忘れて之を復(かへ)す。是を之れ心を以て道を揖(あやつ)らず、人を以て天を助けずと謂ふ。是を之れ眞人と謂ふ。

*脩†然、いうぜん、悠然。

 

若然者、其心忘、其容寂、其桑†炙†、凄然似秋、煖然似春、喜怒通四時、與物有宜、而莫知其極、

†桑の字、ほんとは桑に頁。†炙の字、ほんとは下が火でなく廾で右側に頁。

然るがごとき者は、其の心は忘れ、其の容(かたち)は寂(しづ)かに、其の桑†(ひたい)は炙†(あつ)し。凄然*として秋に似、煖然*として春に似て、喜怒は四時に通ず。物に與(お)いて宜しきを有(たも)ちて、其の極を知ること莫し。

*凄然、せいぜん、冷しく厳しい。*煖然、けんぜん、暖かくやさしい。

 

故聖人之用兵也、亡國而不失人心、利澤施乎萬世、不爲愛人、故樂通物、非聖人也、有親、非仁也、時天、非賢也、利害不通、非君子也、行名失己、非士也、

故に聖人の兵を用ふるや、國を亡ぼせども人心を失はず、利澤は萬世に施せども、人を愛すると爲さず。故に物を通ぜんと樂ふは聖人に非ず。親有るは仁に非ず。天に時するは賢に非ず。利害の通ぜざるは君子に非ず。名を行ひて己を失ふは士に非ず。

 

亡身不眞、非役人也、若狐不偕、務光、伯夷、叔齊、箕子、胥餘、紀他、申徒狄、是役人之役、適人之適、而不自適共適者也、

身を亡ぼして眞ならざるは人を役するに非ず。狐不偕*・務光*・伯夷*・叔齊*・箕子*・胥餘*・紀他*・申徒狄*のごときは、是れ人の役に役し、人の適*に適して、自らは其の適を適とせざる者なり。

*狐不偕、こふかい、堯から帝位をゆずられたことを恥じて川に身を投げたという隠者。*務光、むくわう、殷の湯王の譲位を避けて自殺。*伯夷・叔齊、はくい・しゆくせい、殷の紂王を討とうとする周の武王を諌めて聞かれず首陽山にかくれて餓死した。*箕子、きし、殷の紂王の暴をさけて狂人をよそおって隠棲。*胥餘、しよよ、逍遥篇などにみえる狂接輿のこと。*紀他、きた、務光の死を聞いてやがてわが身に及ぶことを恐れて自殺。*申徒狄、しんとてき、盗跖篇に君主を諌めて聞かれず投身自殺したことがみえる。*適、てき、楽しみ。

 

古之眞人、其状義而不朋、若不足而不承、與乎其觚而不堅也、張乎其虚而不華也、丙†丙†乎其似喜乎、崔崔乎其不得已乎、畜†乎進我色也、與乎止我コ也、詞チ其似世乎、敖†乎其未可制也、連乎其以好閑也、悗乎其忘言也、

†丙の字、ほんとは丙におおざと。†畜の字、ほんとはさんずいに畜。†敖の字、ほんとは敖の下に言。

古の眞人は、其の状(かたち)義(たか)きも朋(くず)れず。足らざるがごときも承けず。與乎*として其れ觚(孤)なるも堅(固)ならざるなり。張乎*として其れ虚なるも華ならざるなり。丙†丙†乎*として其れ喜ぶに似たるかな、崔崔乎*として其れ已むを得ざるかな。畜†乎*として我が色を進むるも、與乎として我がコに止まるなり。詞チ*として其れ世に似たるかな、敖†乎*として其れ未だ制すべからざるなり。連乎*として其れ閑を好むに似たるも、悗乎*として其れ言を忘るるなり。

*與乎、よこ、ゆったり。*張乎、ちやうこ、おおきい。*丙†丙†乎、へいへいこ、明るい。*崔崔乎、さいさいこ、くじける。*畜†乎、ちくこ、顔色の憤起する様。*詞チ、れいこ、心を痛める。*敖†乎、がうこ、超然と。*連乎、れんこ、長く続ける。*悗乎、ばんこ、無心に忘れる。

 

以刑爲體、以禮爲翼、以知爲時、以コ爲循、以刑爲體者、綽乎其殺也、以禮爲翼者、所以行於世也、以知爲時者、不得已於事也、以コ爲循者、言其與有足者至於丘也、而人眞以爲勤行者也、

刑を以て體と爲し、禮を以て翼と爲し、知を以て時と爲し、コを以て循*と爲す。刑を以て體と爲すとは、綽乎*として其れ殺すなり。禮を以て翼と爲すとは、世に行はるゝ所以なり。知を以て時と爲すとは、事に已むを得ざるなり。コを以て循と爲すとは、其の足ある者と丘に至るを言ふなり。而るに人は眞とに以て勤め行なう者と爲すなり。

*循、じゆん、順う。*綽乎、しやくこ、ゆったり。

 

故其好之也一、其弗好之也一、其一也一、其不一也一、其一與天爲徒、其不一與人爲徒、天與人不相勝也、是之謂眞人

故に其の之を好むや一、其の之を好まざるや一。其の一なるや一、其の一ならざるや一。其の一なるは天と徒たり、其の一ならざるは人と徒たり。天と人と相ひ勝たざる、是れを之れ眞人と謂ふ。

 

死生命也、其有夜旦之常天也、人之有所不得與、皆物之情也、彼特以父爲天、而身猶愛之、而況其卓乎、人特以有君爲愈乎己、而身猶死之、而況其眞乎、

〔二〕 死生は命なり、其の夜旦の常有るは天なり。人の與るを得ざる所有るは、皆物の情なり。彼れ特(た)だ父を以て天と爲して、身は猶ほ之を愛す。而るを況んや其の卓(すぐ)れたるをや。人は特だ有する君を以て己れに愈れりと爲して、身は猶ほ之に死す。而るを況んや其の眞なるをや。

 

泉涸、魚相與處於陸、相句†以濕、相濡以沫、不如相忘於江湖、與其譽堯而非桀也、不如兩忘而化其道、夫大塊載我以形、勞我以生、佚我以老、息我以死、故善吾生者、乃所以善吾死也、

†句の字、ほんとは口へんに句。

泉涸れて、魚相ひ與に陸に處り、相ひ句†(ふ)くに濕を以てし、相ひ濡(うるほ)すに沫を以てするは、江湖に相ひ忘るゝに如かず。其の堯を譽めて桀を非らんよりは、兩ながら忘れて*道に化するに如かず。夫れ大塊我を載するに形を以てし、我を勞するに生を以てし、我を佚*するに老を以てし、我を息はしむるに死を以てす。故に吾が生を善しとする者は、乃ち吾が死を善しとする所以なり。

*其、於の意味の置き字。*佚、いつ、安楽にする。

 

夫藏舟於壑、藏山於澤、謂之固矣、然而夜半有力者、負之而走、昧者不知也、藏小大有宜、猶有所遯、若夫藏天下於天下、而不得所遯、是恒物之大情也、

夫れ舟を壑(たに)に藏(かく)し、山(あみ)を澤に藏して、之を固しと謂ふ。然かれども夜半に力有る者、之を負ひて走る、昧者は知らざるなり。小を大に藏して宜しきあるも、猶ほ遯るゝ所あり。若し夫れ天下を天下に藏さば、而(すなは)ち遯るゝ所を得ず。是れ恆物の大情*なり。

*恆物の大情、こうぶつのたいじやう、万物をつらぬく大きな真理。

 

特犯人之形、而猶喜之、若人之形者、萬化而未始有極也、其爲樂、可勝計邪、故聖人、將遊於物之所不得遯而皆存、善夭善老、善始善終、人猶效之、又況萬物之所係而一化之所待乎、

特(た)だ人の形に犯*して、而も猶ほ之を喜ぶ。人の形のごとき者は、萬化して未だ始めより極まり有らざるなり。其の樂しみたるや、勝げて計ふべけんや。故に聖人は、將に物の遯るゝを得ざる所に遊びて皆な存せんとす。夭を善しとし老を善しとし、始めを善しとし終りを善しとす。人猶ほ之に效(なら)ふ。又た況んや萬物の係る所にして一化の待つ所をや。

*犯、はん、鋳型。

 

夫道有情有信、无爲无形、可受而不可傳、可得而不可見、自本自根、未有天地、自古以固存、~鬼~帝、生天生地、在太極之上而不爲高、在六極之下而不爲深、先天地生而不爲久、長於上古而不爲老、

〔三〕 夫れ道は情有り信有り。爲す无く形无く、受くべきも傳ふべからず。得べきも見るべからず。自ら本となり自ら根となり、未だ天地有らざるも、古へより以て固より存す。鬼を~にし、帝を~にし、天を生み地を生む。太極の上に在るも高しと爲さず、六極の下に在るも深しと爲さず。天地に先きんじて生ずるも久しと爲さず、上古より長ずるも老いたりと爲さず。

 

希†韋氏得之、以挈天地、伏戲氏得之、以襲氣母、維斗得之、終古不心†、日月得之、終古不息、堪坏得之、以襲崑崙、馮夷得之、以遊大川、肩吾得之、以處大山、

†希の字、ほんとはけものへんに希。†心の字、ほんとは弋の中に心。

希†韋氏*は之を得て、以て天地を挈(あ)はせ、伏羲氏*は之を得て、以て氣母に襲(い)り、維斗*は之を得て、終古(しうこ)心†(たが)はず。日月は之を得て、終古息はず、堪坏*は之を得て、以て崑崙に襲り。馮夷*は之を得て以て大川に遊び、肩吾*は之を得て、以て太山に處り。

*希†韋氏、しいし、伝説の帝王。*伏羲氏、ふくきし、上古の帝王。*維斗、ゐと、北極星。*堪坏、たんぱい・馮夷、ひようい・肩吾、けんご、いずれも神の名。

 

黄帝得之、以登雲天、喘†頁†得之、以處玄宮、禺強得之、立乎北極、西王母得之、坐乎少廣、莫知其始、莫知其終、彭祖得之、上及有虞、下及五伯、傳説得之、以相武丁、奄有天下、乗東維騎箕尾、而比於列星、

†喘の字、ほんとは口へんがなくて右側に頁。†頁の字、ほんとは王へんに頁。

黄帝*は之を得て、以て雲天に登り、喘†頁†*は之を得て、以て玄宮に處り。禺強*は之を得て、北極に立ち、西王母*は之を得て、少廣に坐し、其の始めを知る莫く、其の終りを知る莫し。彭祖は之を得て、上は有虞*に及び、下は五伯に及ぶ。傅説*は之を得て以て武丁*を相(たす)け、天下を奄有*し、東維*に乗り箕*尾*に騎(またが)りて、列星に比(なら)ぶ。

*黄帝、くわうてい・喘†頁†、せんぎよく、ともに古代の伝説の帝王。*禺強、ぐうきやう、北海の神。*西王母、せいわうぼ、小広山にすむ女神。*有虞、いうぐ、舜。*傅説、ふえつ、殷の高宗を助けて天下を治さめたという賢人。*武丁、ぶてい、殷の高宗。*奄有、えんいう、残らず自分のものとする。*東維、とうゐ、星座の名。*箕、き・尾、び、ともに星の名。

 

南伯子葵問乎女禹†曰、子之年長矣、而色若孺子何也、曰吾聞道矣、南伯子葵曰、道可得學邪、曰、惡、惡可、子非其人也、夫卜梁倚有聖人之才而无聖人之道、我有聖人之道而无聖人之才、吾欲以ヘ之、庶幾其果爲聖人乎、不然、以聖人之道告聖人之才、亦易矣、

†禹の字、ほんとは人べんに禹。

〔四〕 南伯子葵(なんぱくしき)女禹†(ぢよう)に問ひて曰く、子の年は長ぜり、而も色は孺子*のごときは何ぞやと。曰く、吾れは道を聞けばなりと。南伯子葵曰く、道は學ぶことを得べきかと。曰く、惡(あゝ)、惡んぞ可ならん。子は其の人に非ざるなり。夫の卜梁倚(ぼくりやうき)は聖人の才有りて聖人の道无く、我は聖人の道有りて聖人の才无し。吾れ以て之にヘへんと欲す。庶幾(ねがは)くは其れ果して聖人たらんか。然らざるも、聖人の道を以て聖人の才に告ぐるは、亦た易からん。

*孺子、じゆし、子ども。

 

吾猶守而告之、參日而後能外天下、已外天下矣、吾又守之、七日而後能外物、已外物矣、吾又守之、九日而後能外生、已外生矣、而後能朝徹、朝徹而後能見獨、見獨而後能无古今、无古今而後能入於不死不生、

吾れ猶ほ守りて之に告げしに、參日にして而る後に能く天下を外にす。已に天下を外にせり、吾れ又た之を守るに、七日にして而る後に能く物を外にす。已に物を外にせり、吾れ又た之を守るに、九日にして而る後に能く生を外にす。已に生を外にし、而る後に能く朝徹*す。朝徹して而る後に能く獨を見る。獨を見て而る後に能く古今无し。古今无くして而る後に能く不死不生に入る。

*朝徹、てうてつ、澄みきった境地。

 

殺生者不死、生生者不生、其爲物、无不將也、无不迎也、无不毀也、无不成也、其名爲嬰†寧、嬰†寧也者、嬰†而後成者也、

†嬰の字、ほんとは手へんに嬰。

生を殺す者は死せず、生を生ずる者は生ぜず。其の物たる、將(おく)らざる无く、迎へざる无し、毀(こぼ)たざる无く、成らざる无し。其の名を嬰†寧(えいねい)と爲す。嬰†寧なるものは嬰†(まと)はれて而る後に成る者なりと。

 

南伯子葵曰、子獨惡乎聞之、曰聞ゥ副墨之子、副墨之子聞ゥ洛誦之孫、洛誦之孫聞之瞻明、瞻明聞之聶許、聶許聞之需役、需役聞之於謳、於謳聞之玄冥、玄冥聞之參寥、參寥聞之疑始、

南伯子葵曰く、子は獨(そ)れ惡くにか之を聞けると。曰く、ゥを副墨*の子に聞けり。副墨の子はゥを洛誦*の孫に聞き、洛誦の孫は之を瞻明*に聞き、瞻明は之を聶許*に聞き、聶許は之を需役*に聞き、需役は之を於謳*に聞き、於謳は之を玄冥*に聞き、玄冥は之を參寥*に聞き、參寥は之を疑始*に聞けりと。

*副墨、ふくぼく、文献。*洛誦、らくしよう、熟読。*瞻明、せんめい、開眼。*聶許、でふきよ、つぶやき。*需役、じゆえき、実践。*於謳、おおう、謳歌。*玄冥、げんめい、幽遠。*參寥、さんれう、空虚。*疑始、ぎし、始めに擬す。

 

子祀、子輿、子犁、子來、四人相與語曰、孰能以无爲首、以生爲脊、以死爲尻、孰知死生存亡之一體者、吾與之友矣、四人相視而笑、莫逆於心、遂相與爲友、

〔五〕 子祀(しし)、子輿(しよ)、子犁(しり)、子來(しらい)、四人相ひ與に語りて曰く、孰か能く无を以て首(かうべ)と爲し、生を以て脊と爲し、死を以て尻と爲すや。孰か死生存亡の一體たるを知る者ぞ。吾れ之と友たらんと。四人相ひ見て笑ひ、心に逆ふこと莫く、遂に相ひ與に友と爲る。

 

俄而子輿有病、子祀往問之、曰偉哉、夫造物者、將以予爲此拘拘也、曲僂發背、上有五管、頤隱於齊、肩高於頂、句贅指天、陰陽之氣有珍†、其心闔ァ无事、并†鮮†而鑑于井曰、嗟乎、夫造物者、又將以予爲此拘拘也、

†珍の字、ほんとは王へんでなくさんずい。†并の字、ほんとは足へんに并。†鮮の字、ほんとは足へんに鮮。

俄にして子輿に病有り、子祀往て之を問ふ、曰く、偉なるかな、夫の造物者。將に予を以て此の拘拘*を爲さんとすと。曲僂*背に發し、上に五管有り。頤(あご)は齊(へそ)に隱れ、肩は頂より高く、句贅*は天を指す。陰陽の氣に珍†(みだ)るゝこと有るも、其の心閨iしづか)にして无事なり。并†鮮†*として井*に鑑みて曰く、嗟乎、夫の造物者、又た將に予を以て此の拘拘を爲さんとするなりと。

*拘拘、こうこう、曲がりくねった。*曲僂、きよくる、せむし。*句贅、こうぜい、もとどり。*并†鮮†、へいせん、よろめく。*井、ゐ、井戸。

 

子祀曰、女惡之乎、曰亡、予何惡、浸假而化予之左臂以爲鶏、予因以求時夜、浸假而化予之右臂以爲彈、予因以求号†炙、浸假而化予之尻以爲輪、以~爲馬、予因而乗之、豈更駕哉、

†号の字、ほんとは号の右に鳥。

子祀曰く、女ぢ之を惡むかと。曰く、亡(いな)、予何ぞ惡まん。浸假*して、予の左臂を化して鶏と爲さば、予は因りて以て時夜を求めん。浸假して予の右臂を化して彈*と爲さば、予は因りて号†炙*を求めん。浸假して予の尻を化して輪と爲し、~を以て馬と爲さば、予は因りて之に乗らん、豈に更に駕せんや*。

*浸假、しんか、徐々に変化させる。*彈、だん、はじき弓。*号†炙、けうしや、焼き鳥。*豈更駕哉、別の馬車は不要。

 

且夫得者時也、失者順也、安時而處順、哀樂不能入也、此古之所謂縣解也、而不能自解者、物有結之、且夫物不勝天久矣、吾又何惡焉、

且つ夫れ得るは時なり、失ふは順なり。時に安じて順に處れば、哀樂も入る能はず。此れ古への所謂る縣解なり。而も自ら解く能はざる者は、物之を結ぶ有ればなり、且つ夫れ物の天に勝たざるや久し。吾れ又た何ぞ惡まんと。

 

俄而子來有病、喘喘然將死、其妻子環而泣之、子犁往問之、曰叱、避、无怛化、倚其戸與之語曰、偉哉造化、又將奚以汝爲、將奚以汝適、以汝爲鼠肝乎、以汝爲蟲臂乎、

俄かにして子來に病有り。喘喘然として將に死せんとす。其の妻子環(めぐ)りて之に泣く。子犂往きて之を問ひて曰く、叱(しつ)、避けよ。化を怛(おどろ)かすこと无れと。其の戸に倚りて之と語りて曰く、偉なるかな造化、又た將に奚にか汝を以て爲さんとするや。將に奚くにか汝を以て適かしめんとするや。汝を以て鼠の肝と爲さんか。汝を以て蟲の臂(かひな)と爲さんかと。

 

子來曰、父母於子、東西南北、唯命之從、陰陽於人、不翅於父母、彼近吾死、而我不聽、我則悍矣、彼何罪焉、夫大塊載我以形、勞我以生、佚我以老、息我以死、故善吾生者、乃所以善吾死也、

子來曰く、父母の子に於けるは、東西南北、唯だ命に之れ從はしむ。陰陽の人に於けるは、翅(た)だに父母に於けるのみにあらず。彼れ吾を死に近づくるに、我れ聽かずんば、我れ則ち悍*なり、彼れ何ぞ罪あらん。夫れ大塊我を載するに形を以てし、我を勞するに生を以てし、我を佚にするに老を以てし、我を息はしむるに死を以てす。故に吾が生を善しとするは、乃ち吾が死を善しとする所以なり。

*悍、かん、強情。

 

今大冶鑄金、金踊躍曰、我且必爲莫†耶†、大冶必以爲不之金、今一犯人之形、而曰人耳人耳、夫造化者、必以爲不之人、今一以天地爲大鑢、以造化爲大冶、惡乎往而不可哉、成然寐、遽†然覺、

†莫の字、ほんとは金へんに莫。†耶の字、ほんとは金へんに耶。†遽の字、ほんとは草かんむりに遽。

今大冶金(かね)を鑄るに、金踊躍(ようやく)して、我れ且に必ず莫†耶†*たらんとすと曰はゞ、大冶必ず以て不の金と爲さん。今一たび人の形に犯して、而も人ならんのみ人ならんのみと曰はゞ、夫の造化者は必ず以て不の人と爲さん。今一たび天地を以て大鑪と爲し、造化を以て大冶と爲す。惡くに往くとして可ならざらんや。成然*として寐ね、遽†然として覺めんのみ。

*莫†耶†、ばくや、古代の名剣の名。*成然、せいぜん、安らか。*遽†然、きよぜん、はっとする。

 

子桑戸、孟子反、子琴張、三人相與語曰、孰能相與於无相與、相爲於无相爲、孰能登天遊霧、撓挑无極、相忘以生、无所終窮、三人相視而笑、莫逆於心、遂相與爲友、

〔六〕 子桑戸、孟子反、子琴張三人、相ひ與に語りて曰く、孰れか能く相ひ與(くみ)すること无きに相ひ與し、相ひ爲すこと无きに相ひ爲すや。孰れか能く天に登り霧に遊び、無極に撓挑*し、相ひ忘るゝに生を以てして、終窮する所無きやと。三人相ひ見ひ笑ひ、心に逆ふこと莫く、遂に相ひ與に友たり。

*撓挑、ぜうたう、めぐりまわる。

 

莫然有閨A而子桑戸死、未葬、孔子聞之、使子貢往待事焉、或編曲、或鼓琴、相和而歌曰、嗟來桑戸乎、嗟來桑戸乎、而已反其眞、而我猶爲人猗、子貢趨而進曰、敢問、臨尸而歌禮乎、二人相視而笑曰、是惡知禮意、

莫然*として阯Lりて、子桑戸死す。未だ葬らず。孔子之を聞き、子貢をして往きて事を待たしむ。或ひは曲(むしろ)を編み、或ひは琴を鼓し、相ひ和して歌ひて曰く、嗟來(あゝ)、桑戸よ、嗟來、桑戸よ。而ぢは已に其の眞に反る、而して我れは猶ほ人たりと*。子貢趨りて進みて曰く、敢て問ふ、尸(し)に臨みて歌ふは禮かと。二人相ひ視て笑ひて曰く、是れ惡んぞ禮の意を知らんやと。

*莫然、ばくぜん、何事もなく。*猗は助字。

 

子貢反以告孔子曰、彼何人者邪、脩行无有、而外其形骸、臨尸而歌、顏色不變、无以命之、彼何人者邪、孔子曰、彼遊方之外者也、而丘遊方之内者也、外内不相及、而丘使女往弔之、丘則陋矣、

子貢反りて以て孔子に告げて曰く、彼れ何人ぞや、修行有ること无くして、而して其の形骸を外にし、尸に臨みて歌ひ顏色も變へず。以て之に命ずくる无し。彼れ何人ぞや。孔子曰く、彼は方の外に遊ぶ者なり、而して丘は方の内に遊ぶ者なり。外と内とは相ひ及ばず、而るに丘は女ぢをして往て之を弔せしむ。丘は則ち陋*なり。

*陋、ろう、あさはか。

 

彼方且與造物者爲人、而遊乎天地之一氣、彼以生爲附贅縣疣、以死爲決丸†潰雍†、夫若然者、又惡知死生先後之所在、假於異物、託於同體、忘其肝膽、遺其耳目、反覆終始不知端倪、芒然彷徨乎塵垢之外、逍遙乎无爲之業、彼又惡能貴†貴†然爲世俗之禮、以觀衆人之耳目哉、

†丸の字、ほんとは病だれに丸。†雍の字、ほんとは病だれに雍。†貴の字、ほんとはりっ心べんに貴。

彼は方且(まさ)に造物者と人*と爲りて、天地の一氣に遊ぶ。彼は生を以て附贅縣疣*と爲し、死を以て決丸†潰雍†*と爲す。夫れ然るがごとき者は、又た惡んぞ死生先後の所在を知らんや。異物に假りて、同體に託し、其の肝膽を忘れ、其の耳目を遺(わす)れ、終始を反覆して端倪*を知らず。芒然として塵垢の外に彷徨し、無爲の業に逍遙す。彼れ又た惡んぞ能く貴†貴†然*として世俗の禮を爲し、以て衆人の耳目に觀(しめ)さんやと。

*人、なかま。*附贅縣疣、ふぜいけんいう、こぶやいぼ。*決丸†潰雍†、けつくわんくわいよう、かさぶたが破れ腫れ物がつぶれる。*端倪、たんげい、物事の始まり。*貴†貴†然、くわいくわいぜん、仰々しい。

 

子貢曰、然則夫子何方之依、曰丘天之戮民也、雖然吾與汝共之、子貢曰、敢問其方、孔子曰、魚相造乎水、人相造乎道、相造乎水者、穿池而養給、相造乎道者、无事而生足、故曰、魚相忘乎江湖、人相忘乎道術、子貢曰、敢問畸人、曰、畸人者、畸於人、而牟†於天、故曰、天之小人人之君子、天之君子人之小人也、

†牟の字、ほんとは人べんに牟。

子貢曰く、然らば則ち夫子は何の方にか之依るやと。曰く丘は天の戮民なり。然りと雖も、吾れ汝と之を共にせんと、子貢曰く、敢て其の方を問ふと。孔子曰く、魚は水に相ひ造(いた)り、人は道に相ひ造る。水に相ひ造る者は、池を穿ちて養ひ給(た)り、道に相ひ造る者は、事とする无ければ生足る。故に曰く、魚は江湖に相ひ忘れ、人は道術に相ひ忘ると。子貢曰く、敢て畸人(きじん)を問ふと。曰く、畸人なる者は、人に畸にして天に牟†(ひと)し。故に曰く、天の小人は人の君子、天の君子は人の小人なりと。

 

顏囘問仲尼曰、孟孫才、其母死、哭泣无涕、中心不戚†、居喪不哀、无是三者、以善喪蓋魯國、固有无其實而得其名者乎、囘壱怪之、

†戚の字、ほんとは戚の下に心。

〔七〕 顏囘仲尼に問ひて曰く、孟孫才は其の母死して、哭泣するに涕无く、中心戚†(いた)まず、喪に居て哀しまず、是の三者无くして、喪を善くするを以て魯國を蓋へり。固より其の實无くして其の名を得る者有るか、囘一に之を怪しむと。

 

仲尼曰、夫孟孫氏盡之矣、進於知矣、唯簡之而不得、夫已有所簡矣、孟孫氏、不知所以生、不知所以死、不知就先、不知就後、若化爲物、以待其所不知之化已乎、且方將化、惡知不化哉、方將不化、惡知已化哉、吾特與汝、其夢未始覺者邪、且彼有駭形、而无損心、有旦宅、而无耗情、孟孫氏特覺、人哭亦哭、是自其所以宜、

仲尼曰く、夫の孟孫氏は之を盡せり、知よりも進めり。之を簡にするを得ずと惟(いへど)も、夫れ已に簡にする所有り。孟孫氏は生くる所以を知らず、死する所以を知らず、先に孰くを知らず、後に孰くを知らず。化に若(したが)ひて物と爲り、以て其の知らざる所の化を待つのみ。且(そ)れ化するに方將(あた)りては、惡んぞ化せざるを知らん。化せざるに方將りては悪んぞ已に化せるを知らん。吾れは特(すなは)ち汝と、其の夢の未だ始めより覺めざる者か。且れ彼は形を駭(あらた)むる有るも、心を損ふ无く、宅*を旦(あらた)むる有れも、情を耗(みだ)す无し。孟孫氏は特ち覺む。人哭すれば亦哭するは、是れ自ら其の宜しき所以なり。

*宅、たく、居どころ。

 

且也相與吾之耳矣、庸巨†知吾所謂吾之乎、且汝夢爲鳥而詞チ天、夢爲魚而沒於淵、不識、今之言者其覺者乎、其夢者乎、造適不及笑、獻笑不及排、安排而去化、乃入於寥天一、

†巨の字、ほんとは言べんに巨。

且也(しばら)く相ひ與に之を吾とするのみ。庸巨†ぞ吾の所謂る之を吾とするを知らんや。且つ汝は、夢に鳥と爲りて天に氏iいた)り、夢に魚と爲りて淵に沒す。識らず、今の言ふ者は其れ覺めたる者か、其れ夢むる者か。適(つみ)を造(つ)ぐるは笑ふに及ばず、笑ふを獻(たの)しむは排*に及ばず。排に安んじて化を去れば、乃ち寥たる天一に入ると。

*排、はい、事物の推移。*寥、れう、静か。

 

意而子見許由、許由曰、堯何以資汝、意而子曰、堯謂我、汝必躬服仁義、而明言是非、許由曰、而奚來爲只†、夫堯既已黥汝以仁義、而鼻†汝以是非矣、汝將何以遊夫遙蕩恣隹†轉徙之塗乎、

†只の字、ほんとは車へんに只。†鼻の字、ほんとは鼻にりっ刀。†隹の字、ほんとは目へんに隹。

〔八〕 意而子、許由に見ゆ。許由曰く、堯は何を以て汝に資せると。意而子曰く、堯は我に謂へり。汝は必ず躬ら仁義を服(おこな)ひて、明かに是非を言へと。許由曰く、而ぢ奚ぞ來るを爲すや*。夫れ堯は既已(すで)に汝を黥*するに仁義を以てして、汝を鼻†*するに是非を以てせり。汝ぢ將た何を以て夫の遙蕩恣隹†轉徙*の塗に遊ばんやと。

*只†は助字。*黥、げい、入れ墨の刑。*鼻†、ぎ、鼻そぎの刑。*遙蕩恣隹†轉徙、えうたうしきてんし、広々伸び々ゞ気まゝに推移する。

 

意而子曰、雖然、吾願遊於其藩、許由曰、不然、夫眇者无以與乎眉目顏色之好、瞽者无以與乎黄黼黻之觀、意而子曰、夫无莊之失其美、據梁之失其力、黄帝之亡其知、皆在鑢捶之闔ィ、庸巨†知夫造物者之不息我黥而補我鼻†、使我乗成以随先生邪、

†巨の字、ほんとは言べんに巨。†鼻の字、ほんとは鼻にりっ刀。

意而子曰く、然りと雖も、吾れ願はくは其の藩*に遊ばんと。許由曰く、然らず。夫れ眇者*は以て眉目顏色の好きに與る无く、瞽者*は以て黄黼黻*の觀に與る无し。意而子曰く、夫れ无莊*の其の美を失ひ、據梁*の其の力を失ひ、黄帝の其の知を亡へるは、皆鑪捶*の閧ノ在るのみ。庸巨†ぞ夫の造物者の我が黥を息めて我が鼻†を補ひ、我をして成るに乗じて以て先生に随はしめざるを知らんやと。

*藩、はん、端っこ。*眇者、べうしや、めっかち。*瞽者、こしや、めくら。*黼黻、ほふつ、昔の天子の礼服にまさかりや弓の字の形を縫い取った模様。*无莊、むさう、美人の名。*據梁、きよりやう、勇者の名。*鑪捶、ろすゐ、炉で鍛える。

 

許由曰、噫、未可知也、我爲汝言其大略、吾師乎、吾師乎、齏萬物而不爲義、澤及萬世而不爲仁、長於上古而不爲老、覆載天地刻彫衆形、而不爲巧、此所遊已、

許由曰く、噫、未だ知るべからざるなり。我れ汝の爲めに其の大略を言はん。吾が師か、吾が師か。萬物を齏(な)せども義と爲さず、澤は萬世に及ぶも仁と爲さず、上古に長ぜるも老と爲さず、天地を覆載し衆形を刻彫するも巧と爲さず。此れ遊ぶ所のみと。

 

顏囘曰、囘u矣、仲尼曰、何謂也、曰囘忘仁義矣、曰可矣、猶未也、它日復見曰、囘u矣、曰何謂也、曰囘忘禮樂矣、曰可矣、猶未也、它日復見曰、囘u矣、曰何謂也、曰囘坐忘矣、

〔九〕 顏囘曰く、囘はuせりと。仲尼曰く、何の謂ぞやと。曰く、囘は仁義を忘れたりと。曰く、可なり、猶ほ未だしと。它日(たじつ)復た見えて曰く、囘はuせりと。曰く、何の謂ぞやと。曰く、囘は禮樂を忘れたりと。曰く、可なり、猶ほ未だしと。它日復た見えて曰く、囘はuせりと、曰く、何の謂ぞやと。曰く、囘は坐忘せりと。

 

仲尼蹴然曰、何謂坐忘、顏囘曰、堕枝體黜聰明、離形去知、同於大通、此謂坐忘、仲尼曰、同則无好也、化則无常也、而果其賢乎、丘也請從而後也、

仲尼蹴然として曰く、何をか坐忘と謂ふと。顏囘曰く、枝體を堕とし、聰明を黜(しりぞ)け、形を離れ知を去りて大通に同ず。此を坐忘と謂ふと。仲尼曰く、同ずれば則ち好む无きなり、化すれば則ち常无きなり。而ぢ果して其れ賢なるかな。丘や請ふ、而ぢの後に從はんと。

 

子輿與子桑友、而霖雨十日、子輿曰、子桑殆病矣、裹而往食之、至子桑之門、則若歌若哭、鼓琴曰、父邪、母邪、天乎、人乎、有不任其聲而趨擧其詩焉、子輿入曰、子之歌詩、何故若是、

〔十〕 子輿と子桑とは友なり、而して霖雨*すること十日。子輿曰く、子桑殆ど病みなんと。を裹(つゝ)みて往いて之に食はしめんとす。子桑の門に至れば、則ち歌ふがごとく哭するがごとく、琴を鼓して曰く、父か、母か、天か、人かと。其の聲に任へずして趨(いそ)ぎ其の詩を擧ぐる有り。子輿入りて曰く、子の詩を歌ふこと何の故に是のごときやと。

*霖雨、りんう、長雨。*有不任其聲而趨擧其詩焉、声をのばして歌うのは辛そうで文句を短く言う。

 

曰、吾思夫使我至此極者、而弗得也、父母豈欲吾貧哉、天无私覆、地无私載、天地豈私貧我哉、求其爲之者、而不得也、然而至此極者、命也夫、

曰く、吾れ夫の我をして此の極に至らしむる者を思ふも得ざるなり。父母は豈に吾が貧を欲せんや。天に私覆无く、地に私載无し。天地豈に私に我を貧しくせんや。其の之を爲す者を求むるも得ざるなり。然れども此の極に至る者は、命なるかなと。

 

 

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